INTERVIEW

社会課題を解決する
オフショア開発の最前線

株式会社SYNJAPAN
代表
大谷剛弘 様


「立地と予算を考えて、迷わずここを選びました」と語るのは、国内の開発案件とベトナムのエンジニアをつなぎ、IT業界の人材不足解消に挑む株式会社SYNJAPANの大谷剛弘さん。

オフショア開発企業として成長を続ける同社が選んだのは、ボードゲームやダーツ、レトロ感が伝わる娯楽玩具をキーアイテムとした、セットアップオフィス『gran+ KANDA』です。遊び心にあふれ、インパクトの強いあしらいが特徴的なオフィスを新たな拠点を選んだ理由を伺いました。


──御社の事業内容を教えていただけますか?

近年、日本では深刻なIT人材不足が続いており、DX推進や生成AIの活用といった新たな技術トレンドに対応できるエンジニアの確保が急務となっています。一方で、国内の人材育成や採用コストの高騰が課題となっており、優秀なエンジニアを確保する手段としてオフショア開発の需要はますます拡大しています。

そこで私たちは、国内でクライアント対応やプロジェクトマネジメントを担当し、実際のシステム開発はベトナムのオフショアチームに任せることで、開発スピード・コスト・クオリティをバランスよく実現しています。

──具体的にどんなプロジェクトを手がけているのですか?

医療クリニックの予約システムからスポーツ中継の配信、物流倉庫の入出荷管理から美容サービス向けのPOSシステムなど実に多彩です。開発・インフラ・運用保守にシステム稼働前のテスト業務など、いろいろなフェーズに対応できるキャパの広さも強みだと自負しています。数千万円クラスの大規模プロジェクトも多数請け負っています。

他社と比べたときの差別化ポイントは、単なるオフショア開発ではなく、日本企業が求めるクオリティやビジネス要件に最適化された「ハイブリッド型開発モデル」を提供している点です。

プロジェクト単位で受託する「請負開発」、案件規模・内容に合わせてチームを編成する「ラボ型開発」、そして国内各地のリソースを活用した「オンサイト支援(ニアショア)」を組み合わせて、お客様を支えています。


──数あるオフショア開発先にベトナムを選んだ理由は?

ベトナムは日本と働き方が近く、時差もわずか2時間。業務に支障が出にくいのが強みです。円安の影響はあるものの、日本に比べて圧倒的にコストを抑えられるのも大きなメリットですね。

また、ベトナムでは国を挙げてIT人材の育成が進められており、優秀なエンジニアが年々増えています。さらに日本との経済的な結びつきも強まり、今後もオフショア開発の需要はますます拡大していくと確信しています。


──もともとは大谷さんもシステム開発の現場にいたのですね

もともとはゲームプログラマーを目指して情報系の専門学校を卒業後、札幌のゲーム開発会社に就職しました。約3年間、ゲームメーカーからの受託案件に携わり、ゲーム開発の最前線で経験を積みました。

その後、要件定義など上流工程を手がけるSIerへ転職し、そこで出会ったビジネスパートナーとともに起業しました。ベトナムとの関係構築やオフショア開発の展開は、彼のアイデアが大きく影響しており、この出会いが私のキャリアを大きく変える転機となりましたね。

2017年に初めてベトナムを訪れ、現地のIT企業や開発会社を視察しました。ローカルの方々が生き生きと働く姿に圧倒され、そのエネルギーに強く惹かれたのを覚えています。

訪れたのは2.3社ほどで規模が小さく、数名体制の企業がほとんど。それでもフロンティア精神にあふれ、これから大きく発展していく可能性を強く感じました。この視察を通じて、ベトナムの空気を肌で感じ、「ここでならビジネスが十分に成り立つ」と確信した瞬間でした。

当時、オフショア開発の主流は別の地域でしたが、ベトナムの成長スピードは圧倒的。トレンドが大きく移り変わる中、その変革の瞬間に立ち会えたのは貴重な経験でした。

現在、エンジニアのマネジメントをしながら、クライアント対応や営業、全体の統括を担っています。人材管理とPM業務が中心で、エンジニアのサポートをしつつ、お客様との打ち合わせも多いですね。開発現場を見守りながら、ビジネスの成長を支える役割を担っています。


──gran+ KANDAへ入居することになったきっかけを教えてください

2024年末までシェアオフィスを利用していましたが、手狭になったことに加え、新規事業の立ち上げに伴い独立した拠点が必要に。そこで秋ごろから、本格的にオフィス探しを始めました。

正直「オフィスなんて必要ない」と思っていた時期もありました。でも実際にオフィスで働くとモチベーションが維持しやすく、仕事の進捗も把握しやすい。何より顔を合わせることでチームに一体感が生まれるんです。

特に日本人には対面の方が合っていると感じます。監視ツールを使う企業もありますが、本当に向上心がある人は自発的に働くもの。組織の一員としての実感を持てる環境こそが、オフィスの大きな価値だと再認識しました。


──決め手はありましたか?

丸の内エリアに近く、仕事をする上で利便性が高いと感じました。前のシェアオフィスも千代田区だったこともあり、住所変更の手間を省くために同じエリアにこだわりました。ちなみに物件候補の中で内見したのはここだけです。もともと即断即決タイプなので、条件がクリアされていた時点で迷うことなく「ここだ」と決めました。

オフィスの内装やデザインも大きな決め手でした。棚にはおもちゃ、壁にはレコード盤、ネオンライトが輝く空間。gran+の設計担当の方が本気で楽しんで作ってくれたのが伝わってきました。スタッフにとって《毎日仕事がしたくなるオフィス》にしたかったですし、実際にお客様からも「面白いですね」と好評をいただいています。

新規事業として、エンジニア分野とは異なるベトナム人向けのサービスを立ち上げる準備を進めています。そのために必要な手続きや許可申請に加え、拠点としてのオフィスも不可欠でした。

また、以前のレンタルオフィスではミーティングルームを有料で借りる必要がありましたが、ここでは無料で気兼ねなく使えるので、個別の打ち合わせもスムーズです。今後の事業展開を支える重要な環境が整いました。

これからのIT業界では「人材の確保」と「技術力の向上」が成功のカギとなります。私たちは常時4000人以上のエンジニアと提携し、必要なときにすぐにプロジェクトチームを組める体制を整えています。今後も優秀な人材を迅速に提供し、最適な開発体制を構築することで、日本企業の成長を支えるパートナーとしての確かな価値を発信し続けます。

※本記事に記載されている内容は公開日2025年2月28日時点の情報です。

株式会社SYNJAPAN

https://www.syn-gr.com/

 

設立:2022年
従業員数:5人(グループ企業含む)
代表:大谷剛弘
住所:東京都千代田区鍛冶町1-4-5 gran+ KANDA 2F
事業内容:業務システム・ソフトウェア・アプリケーション開発、システムの運用・保守 など